凝りに関しては(1)の女性ほどひどくはない。ひどいのはこの程度の腰痛を治せる
治療家も病院も整骨院も無かったことである。空理空論はもういい加減にしろと言いた
くなる。腕は立たないくせに理屈をこねる治療家ばかりになった。情けない話である。
この人の腰痛の原因は、下部腰椎の両側にできた強度の凝りにある。従って、針でこれ
を除去すれば痛みも消える。たったこれだけのことができない治療家が、堂々と看板を
上げているのである。そんなことをしたって治りませんよ、という治療がまかり通って
いるのである。

 使用針は、2寸8番の中国針である。およそ皮下5センチのところに強度の凝りがあ
る。ここに針を通したとき、「ああ、そこを壊して欲しい・・・」と言ったので「いま
から壊します」と言って、しばらく針を操作した。

 私は毎日こういう治療をしている。そして患者が絶えることがない。その人たちは異
口同音に、どこに行っても治らなかった、針は効かないと思っていた、という。本に書
かれた知識は記憶しているが、治療に必要な<感覚>が身に付いていない治療家が何と
多くなったことだろうかと思う。



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